メディア-NORTH BOOK

野田賀一さんへのインタビューから『ハチドリのひとしずく』を選んだ理由
#1.この人の価値観を、一冊で表すなら。「小さな一歩は、誰かの未来を変えられるのか。」
野田賀一さんへのインタビューから『ハチドリのひとしずく』を選んだ理由
「この人の価値観を、一冊の本で表すとしたら何だろう。」
最近、リーダーへのインタビューを行い、その人が大切にしている価値観や判断基準を本で表現する取り組みを始めました。
今回お話を伺ったのは、PointFive株式会社 代表取締役の野田賀一さんです。
ヒトとマチの新たな0.5歩を。
PointFive株式会社は、「ヒトとマチの新たな0.5歩を。」
PointFive株式会社PointFive株式会社は、「0.5歩のチャレンジ」 を起点に場づくりを支援し、地域の産業活性化に取り組む企画家集団ですpo-five.com
を掲げ、起業支援やコミュニティづくり、インキュベーション施設の運営などを行っています。
特徴的なのは、「起業しよう」「挑戦しよう」と背中を押すだけではないことです。
誰もがいきなり大きな挑戦をできるわけではありません。
だからこそ、「まずは0.5歩」という考え方を大切にしています。
実際に野田さんは、地域で起業を目指す人や、副業を始めたい人、何かを始めたいけれど迷っている人たちの支援を続けています。
インタビューで見えてきたもの
約1時間のインタビューの中で、私は何度も同じテーマに出会いました。
それは、「まず自分が動く」という姿勢です。
野田さんは、地域課題や起業支援について語る時も、
「誰かがやるべきだ」ではなく、
「自分に何ができるか」という視点で話をされていました。
また印象的だったのは、短期的な成果よりも、
20年後、30年後の地域に何を残せるかを大切にしていることです。
私がインタビューを通して整理した野田さんの価値観は次の3つでした。
- 小さくてもまず動く
- 人の挑戦を応援する
- 地域や社会に責任を持つ
そして、その価値観の根底には、
「完璧になってから動くのではなく、動きながら学ぶ」
という考え方が流れているように感じました。
私が選んだ一冊
インタビューが終わった後、
「野田さんの価値観を、一冊の本で表すなら何だろう。」
と考えました。
色々調べていく中で見つけたのが、
『ハチドリのひとしずく』でした。

ハチドリのひとしずく監修:辻信一
出版社:光文社
発売日:2005年11月21日
ISBN:9784334974916
ページ数:84ページ
定価:1,143円(税別)/1,430円(税込・現在流通価格)
私は、私にできることをしているだけ
この本は、南米の先住民に伝わる物語をもとにした絵本です。
森が火事になり、多くの動物たちが逃げ出します。
そんな中、一羽のハチドリだけが、くちばしで水を運び続けます。
周囲からは、
「そんなことをして何になるの?」と言われます。
それでもハチドリは、
「私は、私にできることをしているだけ」と答えます。
この言葉を読んだ時、私は野田さんの姿が重なりました。
0.5歩という言葉も、ハチドリのひとしずくも、
本質的には同じことを語っています。
大きな変化は、最初の小さな行動から始まる。
その行動は、周囲から見ると小さすぎて意味がないように見えることもあります。
それでも続ける。
その積み重ねが、人を動かし、組織を動かし、地域を動かしていくのだと思います。
もう一つの学び

この本には、もう一つ好きなポイントがあります。
それは後半の解説部分です。
私は「ハチドリが正しくて、逃げる動物たちは間違っている」
と思って読んでいました。しかし解説では、
逃げる動物たちも、自分の役割や責任を果たそうとしていただけかもしれない、という視点が示されます。
この考え方は、組織づくりにも通じると思います。
私たちはつい、
「動く人」
「動かない人」
で分けてしまいます。しかし実際には、
それぞれが違う立場で、
違う責任を背負い、
違う景色を見ています。
だからこそ、相手を決めつけるのではなく、
「なぜそう考えるのだろう」
と問い直すことが大切なのかもしれません。
リーダー研修で使うなら
この本は、価値観を対話できる本です。
例えば、こんな問いを投げます。
- あなたのハチドリの一滴は何ですか?
- 誰もやらなくても続けられることはありますか?
- 組織の中で自分にできることは何ですか?
- 他の人のやるべきことは何だと思いますか?
- 大変な時、自分ができることは何ですか?
同じ本を読んでも、人によって答えは違います。
しかし、その違いこそが価値だと思っています。
本は知識を与えるものではありません。
本は、その人の価値観や判断基準を映し出す鏡です。
そして対話を通じて、
お互いの「受け取り方」を知ることができます。
私は、本の価値はそこにあると思っています。
最後に
今回のインタビューを通して改めて感じたのは、
本を選ぶ前に、その人の話を聞くことが大切だということです。
どんな仕事をしているのか。
何を大切にしているのか。
どんなことで悩み、どんな未来をつくりたいと思っているのか。
そうした話を聞いていると、
「この人には、この本かもしれない」
という一冊が見えてくることがあります。
今回、野田さんのお話を聞きながら思い浮かんだのが『ハチドリのひとしずく』でした。
もちろん正解ではありません。
他の人なら、別の本を選ぶかもしれません。
それでも私は、
人の話を聞きながら、その人らしさを表す一冊を探す時間が好きです。
これからも、さまざまな方のお話を聞きながら、本との出会いを紹介していきたいと思います。


#2.この人の価値観を、一冊で表すなら。 「小さな挨拶は、街の空気を変えられるのか。」_高井好一氏
インタビュー記事の詳細

#3 この人の価値観を、一冊で表すなら。 「誰も見ていない石を、ひっくり返し続ける。」
インタビュー記事
